「美学生図鑑って、一体どんな人たちが作っているの?」という疑問に迫る、シリーズ『美学生図鑑の中の人』。第11弾はインタビュアーとして活動する中央大学4年生の木戸響(きどひびき)。
浪人時代、日課のように見ていた美学生図鑑。いざインタビュアーになってみると……?
活動当初のしくじりエピソードや、念入りな取材の準備方法、話を引き出す際の工夫などについて語ってもらいました!(取材:大久保朱理 / 写真:向井一貴)
誇らしげに終えた初取材は、まさかの5分……!?
―美学生図鑑のスタッフに応募したきっかけを教えてください。
自分が受験生の頃にお世話になっていたメディアの記事を、読む側から書く側になりたいと思ったからです。
僕は行動する前に結構じっくりと考えるタイプなんですよ。だから1年生の秋に応募を検討して一旦寝かせたんですけど、時間が経っても気持ちが途切れなかったので、2年生の4月に応募しました。
―そうなんですね。「受験の時にお世話になっていた」とは?
僕自身が浪人時代から美学生図鑑のいち読者で、記事から元気をもらっていたんです。当時は予備校に着いて荷物を置いた後、まずトイレに入って美学生図鑑の記事を読むのが日課でしたね(笑)
というのも、僕は当時すごく田舎に住んでいたので、周りに大学生や、一緒に受験勉強を頑張る仲間がいなかったんですよ。だから美学生図鑑の記事でキラキラした大学生の姿を知ることが勉強のモチベーションを上げるための貴重な手段だったんです。
―そもそも何をきっかけに美学生図鑑の存在を知ったんですか?
「東大 インタビュー」ってネットで検索をかけていたら美学生図鑑の『ミス東大コンテスト特集』に辿り着いたんです。東大を受けるつもりはなかったんですけど、とにかく自分を奮い立たせたかったので頭の良い大学生の様子を知りたくて記事を読んでいましたね(笑)
なので、もちろん記事にある写真を見て目の保養をしていたということもありますが、ただ可愛い子を見たいというだけじゃなく、ちゃんと目的を持って記事を読んでいましたね。
―真剣に記事を読んでいたんですね。そんな愛着のあるメディアで活動することになった響さんですが、インタビュアーとして初めて取材をした時はどうでしたか?
実践女子大学のミスコンに出場してらした安藤美詞さんという方の取材だったんですけど、編集長がLINEで電話を繋いでサポートしてくれるという形でやりました。
モデルさんのプロフィールを詳細に調べたり、質問内容を考えたりと事前準備もしっかりとやって、所要時間も体感としては30分くらい持ったという感じで、「ひと仕事終わった~!」「やり切ったわ〜!」と誇らしげな気持ちで取材を終えました。
そして良い気分のまま家に帰り、文字起こしをしようと思ってボイスレコーダーの録音音声を再生したら……。
―再生したら……?
インタビュー時間がたったの5分しかなかったんです(笑)
初めての取材だけど自分ではわりと上手くいったなと思ってたし、そもそも1対1の会話は不得意ではないと思っていたので、これは結構ダメージを受けましたね。2000~3000字程度の記事を書かなきゃいけないのに、どんなに言葉を繋いでも1000字にも満たなくて……。編集長が追加で質問してくれていたのでなんとかなりましたが(笑)
丁寧な下調べと、心地よく話してもらう工夫
―そんな衝撃の取材から始まったインタビュアーとしての活動ですが、これまでにどれくらいのモデルさんを取材してきましたか?
2年ちょっとで18人ですね。でも、4年生になってからは就活が忙しくてあまり活動できていません。というのも、僕は一つの記事を作るのにまるまる1週間くらいかけて全神経を集中させてやるので、しっかり時間が取れるときじゃないとなかなか取材に行けないんです(笑)
―そんなに時間をかけるんですか?!普段の段取りを知りたいです。
まず、取材の3日前くらいにTwitterやインスタグラムなどのSNS、ライブ配信など、開示されているモデルさんの情報を出来る限り見ます。お名前をネット検索して情報を収集したり、その方の趣味や活動などの背景知識も一緒に調べたりしますね。
そして前日に1、2時間かけて、その情報の中から取材に使えそうなことをカテゴリー毎にメモにまとめて、それぞれにつき7~10個の質問を考えます。
やっぱり、モデルさんからしたら自分のことを知ってもらえていたり、それについて話をしてもらえたりするのってすごく嬉しいじゃないですか。だから自分自身が取材をしやすくするためだけでなく、モデルさん自身にも楽しんで取材に臨んでもらえるように事前準備は毎回しっかりとやっていますね。
―準備の段階からすごく丁寧ですね。しかも、SNSの投稿だけでなくライブ配信まで見ているんですね!
ライブ配信はその方の人となりを把握するのに使っています。初対面でもスッと話せるように、その方の雰囲気や声をあらかじめ把握して、どういう雰囲気で話していけばいいのかを決めておきますね。
ただ、このやり方は失敗するときもあります。例えば、2020年の『ミス中央コンテスト特集』で取材をした米徳京花さんは、配信を見ていたらかなりテンションが高かったのでそれに合わせて僕もテンション高めで取材に臨んだんです。でも、いざ話してみたら、見た目のまんまの落ちついた清楚な感じの方だったんですよね(笑)
僕は最初にテンション高めでいってしまったのでそこから切り替えができなくて、取材は終始お互いのノリに差がある感じになってしまいました……。
取材が終わって写真撮影に入る頃には、米徳さんもリラックスしてきたのか配信で見ていたような明るさになっていたんですけど、取材の時にモデルさんをそのテンションまで上げられなかったことに悔しさを感じましたね。
―話しながら相手を和ませることもインタビュアーの大事な役目なんですね!取材の際に工夫していることはありますか?
主に2つあります。まず1つ目は、あえて話を脱線させることですね。聞きたいことをストレートに聞いていくだけじゃなくて少し脱線させてみると、その方の素の部分やクスッと笑えるようなポイントが見つかることがよくあるんですよ。でも、脱線し過ぎないように、あらかじめ話の軸をいくつか決めておいて、ちゃんと元に戻れるようにはしています。
2つ目は、自分自身のこともたくさん話して共通点を探すことです。心地よく話してもらえるように、一方的に質問をして聞くだけじゃなくて、共通点を見つけたら自分のことも織り交ぜて話すなど、自然に楽しく会話するように心掛けています。
―取材が終わったら記事の作成に取りかかりますが、その際に心がけていることはありますか?
モデルさんが発した声に乗っている感情や熱を文章にすることです。
どのモデルさんも、自分が頑張っている活動に対して並々ならぬ思いがあるし、その方なりの素敵な考えを持っていると思うんです。僕自身も感じることなんですけど、人ってやっぱり何かに対して全力で向き合っている人に心を動かされると思うんですよ。そういうのを読者に届けたいんです。
だから、文字起こしをしたら、そのままその文字の塊と向き合うだけじゃなくて、ボイスレコーダーに録音されてる取材音声を何回も聞き直すんです。モデルさんがどんなテンションで、どんな気持ちで話していたのかというのを声から汲み取って、その想いを表現に入れたり、強調する箇所を考えたりしながら書いていますね。
―準備から記事の執筆に至るまで色々と工夫しているんですね。
僕は文章を書くのはそれほど得意じゃないという意識があるので、その分一つ一つ丁寧にやってクオリティをカバーするようにしています。なので、一人のモデルさんの記事に対して1週間くらいかかってしまうんですよね。その1週間は全ての雑念を払って、それだけに集中して生活しています。
取材中に暑さでダウン……みんなの優しさに触れられた思い出深い取材
―これまでの取材で特に印象に残っているものはありますか?
どのモデルさんも一人ひとり異なる魅力や思い出があるので選び難いんですけど、色々な意味で特に印象に残っているのは2019年の『ミス中央コンテスト特集』の取材ですね。
研修期間を終えてインタビュアーとして初めて一人で臨んだ取材で、しかも初日から大薮未来さん、川島彩織さん、冨田夏帆さんと一日に3人もの取材があって。すごく緊張してしまって、取材の前日は早めに布団に入ったのに1時間しか寝れないまま5時くらいに目が覚めてしまったんです。普段はやらないのに朝からシャワーを浴びてみたり、朝ごはんを食べてみたりと、落ち着けなくて変なことばっかりしていたのを覚えています(笑)
―大事な取材の前にそわそわする気持ちはわかります(笑)
その後、1人目と2人目の取材はなんとか無事に終えることができました。問題は3人目。ここからが悲劇でした……。
8月だったのでその日はめちゃめちゃ暑くて、しかも寝てもいないから体力も限界で、一緒に特集を担当していた先輩カメラマンからもらった塩分チャージの飴がものすごくしょっぱく感じて……。3人目の冨田さんの取材場所の六本木に向かう頃には手足が痺れてきて、「これ、やばいな。このまま行ったらモデルさんの前で吐くかも……」と思い、駅の休憩所で1、2時間睡眠を取りました。
そのせいで1時間くらい冨田さんを待たせてしまったし、カメラマンにもすごく迷惑をかけてしまって……。ちなみに、休憩してなんとか体調は復活しました(笑)
―確かにある意味、印象的な取材ですね(笑)
でも、体調を崩してしまったということ以上に皆さんの優しさに触れられたということが印象に残っている一番の理由ですね。
取材のために貴重な時間を割いてくれた冨田さんには本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだったし、「こんなに待たせるなんて、もういい」って呆れられないかと不安だったんですけど、待たされたことよりも僕の体調を気にしてくれて、もうとにかくめちゃめちゃ優しくて……。
先輩カメラマンも怒ってくれてもよかったくらいなのにすっごい優しかったし、帰った後も他の先輩スタッフや編集長が冗談を言いながら僕の体調を気にしてくれました。こんな温かい方々がいるからこそ、前向きに活動を頑張ってこれたんだろうなって感じますね。
―それでは最後に、美学生図鑑のスタッフへの応募を考えてくれている人たちに向けてメッセージをお願いします!
目標や目的を自分でちゃんと設定できる人に入ってきてほしいなって思います。というのも、美学生図鑑はアルバイトではないのでお金など目に見える形では対価が得られないし、ノルマもないんです。
でも、その代わり、ひょっとしたら将来芸能人になるかもしれないような人に会えるというすごく貴重な機会を与えてもらったり、取材や撮影で色々な場所に行けたり、夢中になれることは本当にたくさんあります。インタビュアー、カメラマン問わず、そういう機会に対して目標や目的を見つけて頑張れるという人に是非入ってきてほしいなと思います!
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